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    女子プロレス界の新団体・マリーゴールドがついにベールを脱いだ。 5月20日、後楽園ホールで開催された旗揚げ戦のチケット…

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    けっこう急な話となってしまうのだが、6月6日(木)の19時より巣鴨・闘道館で開催されるトークイベントにゲスト出演するこ…

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    新日本プロレス・オフィシャルスマホサイトにて、とうにアップされているのに遅れてしまいスマン! 5月6日、東京・日本武道…

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  • ニック・ネメス、天国と地獄

    大変遅くなってしまったのだ。まず、新日本プロレス・オフィシャルスマホサイトがけっこう長期間メンテナンスによりお休みして…

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  • リングに残された敗者

    4・6両国国技館大会で同門の辻陽太を相手に、IWGP世界ヘビー級王座のⅤ2に成功した内藤哲也。 その余韻が冷めやらぬな…

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  • 手のひらは物語る

    スポーツ選手における世界最高額で契約し、今シーズンからロサンゼルス・ドジャースの一員となった大谷翔平。 スプリング・ト…

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  • 令和の凄玉

    新日本プロレスの『NEW JAPAN CUP 2024』を初出場の辻陽太が5連勝で初制覇した。            …

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  • 最後の吉江コール

    プロレスラー・吉江豊さんが亡くなった。享年50。 若すぎる、早すぎる、突然の訃報に愕然とした。 10日、全日本プロレス…

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  • ジュリア陥落!たむと最終決戦へ

    スターダム『CINDERERA TOURNAMENT 2024』開幕2連戦の最注目カードは、ケイ椎ヘルニアにより欠場し…

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  • 最後の対峙

    2月23日&24日、札幌・北海きたえーる2連戦として開催された大会を今回も新日本プロレス・オフィシャルスマホ(web)…

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  • 25年目の邂逅

    2月15日、後楽園ホールで開催されたTEAM NOAH主催『リミットブレイク』で24年以上も交わることのなかった藤田和…

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  • 至極の闘魂名勝負

    新日本プロレスの2・11エディオンアリーナ大阪大会は、大袈裟ではなく新日本の歴史に刻まれる一夜となった。       …

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  • イケメン、福島初参戦

    2013年6月からスタートし通算10回にもわたり、ワタクシ金沢のトークイベントを開催してくれている福島市内のロックバー…

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青野未来はヤバイ
2024/05/28 03:44アメブロ

新団体マリーゴールドの初ツアー開幕戦となる5・26新木場大会・昼夜興行の夜の部を取材してみた。 器が小規模でコロナ禍を機に客席を減らしたこともあり、昼=284人(札止め)、夜=271人(超満員)の観客を動員し、昼夜通して2連戦を観戦したファンもかなりいたようだ。 全5戦に絞った、休憩タイムなしの1時間半興行。会場が狭いから近距離から全試合を見とどけることができる。 もっとも印象に残ったのは青野未来vsゼイダ・スティールの一戦だった。……というより、青野の一挙手一投足。入場から退場までの彼女のパフォーマンスだった。 アクトレスガールズの絶対的エースと呼ばれていた青野。そうは言っても、実際に初めて試合を観たのは5・20旗揚げ戦だった。 第2試合に組まれた石川奈青とのシングル戦には驚きを感じた。打撃のフォームが様になっているし、蹴りも腰の回転が効いている。しかも、いきなり高度な逆足へのカーフキックを披露した。 試合にメリハリがあり、緩急のある攻防が新鮮に映る。女子に限らず最近のプロレスの傾向は、ハイスパートの連続というか大技にも耐え抜くアイアンマンレースといった趣きの試合が目立つ。 それもあって、プロレスの基本形を見せられたような気がしたのだ。 観客に見せる、聴かせるエンターテインメントの基本は同じ。私はそう思っている。 舞台であれ映画であれドラマであれ、お芝居に必要なのはメリハリ。歌手(ミュージシャン)も同様で、必要不可決なものは強弱のあるメリハリ。ずうっと声を張り上げている歌なら、聴いているほうが疲れてしまう。 青野のプロフィールを見てみると……20歳で芸能活動をはじめ、映画、テレビ、舞台などで活躍。 2017年6月、万喜なつみ戦でプロレスラーとしてデビュー。いうまでもなく、相手は現スターダムのなつぽいである。 4年半プロレスラーとして活動していたが、2021年12月からアクトレスガールズがプロレスとは一線を画す、スポーツエンターテインメント公演路線に舵を切り、そこに参加。その舞台でも主役を張ってきた。 そして今回、マリーゴールドで2年半ぶりにプロレス本格復帰を果たしたことになる。 もともと女優だから、台本のあるスポーツエンタメ公演をやっていたから。その部分を批判的に、あるいはネガティブに捉える必要はまったくないと思う。 最近でいうなら、スターダムのリングでデビューしたタレントのフワちゃんが素晴らしい試合を披露し絶賛を浴びた。もちろん、そこに至るまでそうとうな練習を積んでいる。 プロレスを舐めるな!そんな声も聞こえてくるなか、ジュリアはハッキリとこう言った。 「逆に芸能人を舐めるな、と言いたい!あれを見て、何も思わない若手はプロレスをやめたほうがいい」 もっと古い話をするなら、新崎人生がいる。俳優志望で菅原文太の付人を務めていた経験もある人生が、ユニバーサルプロレスでデビューしたのは1992年暮れのこと。 デビュー早々から素晴らしいポテンシャルを披露していた。しっかりと肉体を作り上げていたし、受身の基本などは当然として、新人でありながら間の取りかたが抜群に上手かったのだ。 これなど、舞台役者として培ってきたものなのだろう。まさに、驚異のルーキーであったことを憶えている。 また、話が横道にそれてしまった。ともかく、青野は注目すべき存在となった。 現在の師匠格はマリーゴールドのAPを務める風香となるのだが、もともとアイドル志望だった風香は、デビュー当初は連戦連敗。 ところが、総合格闘技(スマックガール)やシュートボクシングの試合に出陣して実績を残し、アイドルレスラーとして一時代を築いた。 その風香と青野が並んでいると、姉妹のように見える。体型やルックスの良さがなんとなく似通っているからだ。 青野の対戦相手は、まったく未知の存在となるゼイダ・スティール。運動神経は続きをみる

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5・20苛烈なる旗揚げ戦
2024/05/25 06:11アメブロ

女子プロレス界の新団体・マリーゴールドがついにベールを脱いだ。 5月20日、後楽園ホールで開催された旗揚げ戦のチケットは完売。1539人(札止め)という大観衆を集め、取材陣の数も凄まじいばかり。 後楽園ホールで初めてミラーボールによる演出が駆使されるなど、華やかな演出面もふくめ、オープニングから会場全体が熱気に包まれた。              ©マリーゴールド まず練習生4名が紹介されてから、所属13選手が背番号付きのジャージ姿でリングイン。 最後に入場したジュリアは感無量の面持ち。代表して林下詩美が、「覚悟」を込めた挨拶。                    ©マリーゴールド つづいて、ロッシー小川代表がリングに上がり、赤と白の新設されるチャンピオンベルトを披露した。 赤=マリゴールド・ワールド選手権。白=マリーゴールド・ユナイテッド・ナショナル選手権。 昭和の女子プロレス界からの生き字引である小川氏の信念に揺るぎなし。赤と白は、全日本女子、スターダムと引き継がれてきた伝統の証でもある。 試合は、全6戦。 大会終了後に、小川代表はこんな総括を残している。 「全体的に激しい試合が続いたかなって。これがマリーゴールドの試合なのかまだわからないですけど。激しいのもあっていいんですけど、今日はそれに特化しちゃったかなみたいな。それだけ力が入ってたってことですよ、旗揚げってことで」 そのコメントが大会のすべてを象徴しているなと感じた。 そう、激しかった。全6試合、選手たちはすべてを出し尽くそうとしていた。 試合の結果はどうあれ、観客のボルテージとリング上の熱気と闘志が一体化していたのだ。 第1試合では、高橋奈七永がビクトリア弓月の全力を受け止めた。すべてを受けたうえで、冷蔵庫爆弾で叩き潰している。 第2試合の青野未来vs石川奈青には未来が見えた。しかも、至って近い将来の未来である。              ©マリーゴールド アクトレスガールズの絶対的エースであった青野は予想以上の選手。両者とも意地を張り合いながらも、緩急の利いたプロレスを披露する。ハイスパート、ハイスパートの多い最近の女子プロでは珍しい展開。 そこで際立ったのは、青野の打撃…とくに蹴りのテクニック。石川の逆足にカーフキックを打ちこむなど高度なスキルを見せる。 最後は、スタミナ充分の青野が得意のスタイルズクラッシュで決めた。緩急のある試合運びの巧みさ、蹴りの技術、そして何よりもルックスの良さ。 この選手はもっと進化していくだろうし、ごく近い将来のチャンピオン候補といっていい。              ©マリーゴールド 第3試合は、MIRAIvsCHIAKIのシングル戦。今大会のみ紙テープの投げ入れOKとなったが、MIRAIカラーのブルーとシルバーの紙テープの量は圧倒的。 試合でも、元ワンダー・オブ・スターダム王者としての強さを発揮した。元アクトレスガールズのCHIAKIのプロレスキャリアは実質1カ月ほど。それでも全力で向かっていったが、やはりMIRAIには余裕がある。 最後は、痛烈なラリアットを叩き込んで力量差を見せつけた。 第4試合は、桜井麻衣&ゼイダ・スティールvs野崎渚&マイラ・グレース。5・4ノア両国国技館大会でのノア女子vsマリーゴールドの8人タッグ戦で、試合後にジュリアに迫る野崎に対し、そこに割って入り宣戦布告したのが桜井。 その因縁対決となった。ただし、ともにタッグパートナーが初来日の外国人選手ということもあってか、なかなか試合が噛み合っていかない。 ようやく桜井vs野崎に火が点いたところで15分タイムアップのドロー。おそらく両選手とも不完全燃焼だったと思う。やはりシングルでの決着戦に期待したいところだ。 セミファイナルはある意味、実験的なカードだった。天麗皇希&後藤智香vs翔月なつみ&松井珠紗。元アクトレスガールズ同士のタッグマッチ。 はたして、元アクトレスガールズの4選手がセミファイナルという大任を全うすることができるのか? その答えは、実験カード大成功! 翔月はスターダム3期生であり、デビュー戦の相手が紫雷イオ(イヨ・スカイ)。さらに宝城カイリ(カイリ・セイン)とのコンビでゴッデス・オブ・スターダム王座を戴冠した実績もある。 スターダム退団後、紆余曲折を経ながらもふたたびプロレス復帰を果たした。松井も2018年デビューだからキャリアはあるし、スピードには定評がある。 対する皇希&後藤のロイヤルツインタワーは、ともに170㎝オーバー。とくに、バランスのいい体格で身体能力の高い皇希はスター候補と目されている。 圧倒的な体格に対するは、スピード勝負。試合は予想以上に白熱した。              ©マリーゴールド 後藤が翔月を捉えたジャイアントスイングは、相手の太腿付近まで抱えてぶん回すから軸がぶれることなくド迫力。              ©マリーゴールド それでも機動力で対抗していく翔月&松井。そこで、ツインタワーによる合体リフトアップスラム。パワーvs機動力の攻防がじつにおもしろい。初めて見たであろう観客からどよめきと拍手が起こる。              ©マリーゴールド 勝負を決めたのは皇希だった。2人まとめてのバックドロップからトップロープへ。松井を目がけアメジストバタフライ(旋回式ダイビングボディプレス)を見事に決めた。 キャリア2年とはいっても、実質プロレス経験は浅い。ツインタワー……とくに天麗皇希は試合経験を積んでいけば、必ずやトップ戦線に踊り出る逸材だろう。 会場が最高の空気感につつまれるなかメインイベントへ。ジュリア&林下詩美vsSareee&ボジラのマッチアップ。 いうまでもなく、ジュリアと詩美はマリーゴールドのツートップ。じつに3年半ぶりとなる2度目のタッグ結成である。 しかも、4年余も同じスターダムのリングにいながらにして、シングルでは未対決という数奇な運命をたどってきた間柄。 対するSareeeは、ジュリアにとって特別な存在だ。アイスリボン時代のジュリアは、3人の先輩選手とシングルマッチで闘うことによって、ある意味プロレスに開眼し急成長することができた。 その相手が、安納サオリ、山下りな、そしてSareeeだった。互いに再戦を望んでいた2人が5年ぶりにリングで対峙する。 ドイツから初来日したボジラはとにかくデカイ。キャリア2年でまだ20歳ながら、公続きをみる

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6・6闘道館トークイベント開催
2024/05/20 02:14アメブロ

けっこう急な話となってしまうのだが、6月6日(木)の19時より巣鴨・闘道館で開催されるトークイベントにゲスト出演することになった。 ジミー鈴木マニアックス・チャンネルプレゼンツ公開討論会第3回『元週刊ゴング編集長・元ワールドプロレスリング解説者 GK金沢を交え語り合う会』というのが正式タイトルとなるらしい。 そのタイトルの下のサブとして、こうも記されている。 ~都内では10年ぶりのトークショー~ おお、スゲェー!よくご存じで。 ここ10数年、大阪市内のプロレスリングバー、福島市内のロックバーでは毎年の恒例行事としてトークイベントに招かれ、存分にしゃべり倒してきた(笑)。 そう、確かに都内でトークイベントに出演するのは約10年ぶりか?2014年9月6日、復刊ゴング第0号の発売を記念して、当時はまだ水道橋にあった闘道館でターザン山本氏とトークイベントを行なっている。 そんな話をジミーさんが知るわけもないだろうから、おそらくフライヤーにそう記してくれたのは、闘道館の泉高志館長なのだろうなあ。 さすがだな!そう思った。 ところが……なんとそれ以降にも都内で、しかもオシャレな元麻布でトークイベントに一度出演していたことが判明した。 2017年7月12日、女性のためのWebメディア『DRESS』主催のトークイベントに出演。 『新日本プロレス G1 CLIMAX 27を10倍楽しむために』 そういったタイトルのもと参加者は女性限定という、かなりハードルの高いトークイベントを行なっていたのだ。 だから、正確には都内では7年ぶりとなるわけだね。泉館長、申し訳ないっす! まあ、そんなことはどうでもいい。今回はジミー鈴木さんと2人での掛け合いとなる。 一応、ジミーさんとの関係を説明しておくと……週刊ゴング時代の戦友という表現がもっとも適切かと思う。 ダラス在住のゴング特派員だったジミーさんとはよく連絡を取り合った。彼の人脈とコネによって、けっこうスクープもモノにしてきた。 その中でも最大のスクープは、1990年代後半に彼が送ってくれたショット。当時、nwoジャパンの総帥だった蝶野正洋はたびたび米国WCW遠征に出向いていた。 そのころ、アメリカで活躍する日本人として知名度ナンバー1の存在は、言わずと知れたロサンゼルス・ドジャースの野茂英雄投手だった。 いったい、どういうコネを使ったのかは覚えていないのだが、なんと蝶野をドジャースタジアムに招き入れることに成功。 蝶野&野茂というスーパー・ツーショットの撮影に成功したのだ。それを事前に聞いたときに、私は彼にひとつだけお願いをしておいた。 「撮影をするとき、蝶野続きをみる

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骨が軋み、肉が弾けた!
2024/05/17 02:46アメブロ

新日本プロレス・オフィシャルスマホサイトにて、とうにアップされているのに遅れてしまいスマン! 5月6日、東京・日本武道館で開催された6団体参加による『ALL TOGETHER~日本プロレス連盟発足記念・能登半島復興支援チャリティ大会~』の総括を寄稿している。 今大会は、新日本プロレス、ノア、大日本プロレス、DDT、ドラゴンゲート、スターダムと6団体によるオールスター戦ながら、観客数は4583人とすこしばかり寂しい数字となっている。 ここ数年、日本マット界の主要団体は友好関係を築いてきた。その流れから交流戦や対抗戦が頻繁に行なわれている。それもあって、夢のカードと呼ばれるような試合じたいが減ってきた。 あえて、分析するならそれが原因となるのだろう。 裏を返せば、当日集結した観客は特定の団体だけを応援するファンではなく、プロレスそのものが大好きな人たちともいえるのではないか? だからこそ、第1試合からお祭りムードが出来上がっていた。全8試合、どの試合でも客席が沸き返っていたのだ。こんな空気感を作ってくれたのだから、選手たちも昂った。              ■写真提供/新日本プロレス とくに私が注目していたのは、第4試合のタッグマッチだった。石井智宏&関本大介vsジェフ・コブ&マサ北宮。もう発表された時点で裏メインイベントとまで称されている。 石井と関本は、石井がリキプロに所属していた時代のライバル。肉体言語の真っ向勝負で、つねにファンを大ヒートさせてきた。ぶつかり合う一方で、遺恨はないから二度タッグを結成したこともある。 同時期に、ZERO1の田中将斗も2人の闘いに参入してきたから堪らない。石井vs関本、田中vs石井、田中vs関本という絡みは当時のインディーシーンを代表する名勝負数え唄と化した。 ちなみに数年前、サムライTVの某番組で田中と共演したとき、名勝負製造機たる彼がキッパリとこう言いきった。 「自分のキャリアのなかでイチバン手応えを感じた相手は、石井智宏と関本大介の2人ですね!」 案の定、石井と関本はひさしぶりに組んでも息ぴったり。また、石井の対角線上には因縁のマサ北宮が仁王立ちしていた。 記憶に新しいところでは、今年のノア1・2有明アリーナ大会で一騎打ち。メインには丸藤正道vs飯伏幸太のゴールデンカードが組まれ、セミにはGHCヘビー級選手権(拳王vs征矢学)もラインナップされていた。 ところが、第3試合で行なわれた石井vs北宮がそれらを食ってしまった。長州力を師匠に持つ石井、その長州の師匠であるマサ斎藤に師事してきた北宮。似た者同士によるタイマン勝負があまりに凄まじかったのだ。 そこに、パワーでは関本に匹敵するコブが参入。これが、おもしろくならないわけがない。お祭りムードを吹っ飛ばして4選手がぶつかり合う。              ■写真提供/新日本プロレス 骨が軋んだ、肉が弾けた。 コブが、石井と関本をまとめてバックドロップで投げつける。北宮をジャーマンスープッレクスの体勢に捉えた石井を、関本が2人まとめてジャーマンスープッレクスの眉山を披露。 武道館は、大・大・大爆発。 続きをみる

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ニック・ネメス、天国と地獄
2024/05/14 10:27アメブロ

大変遅くなってしまったのだ。まず、新日本プロレス・オフィシャルスマホサイトがけっこう長期間メンテナンスによりお休みしていたこと。 もうひとつは、メンテナンス明けにすぐにアップされたにも関わらず、ワタクシ金沢がひさしぶりに風邪をひいて寝込んでしまっていたこと。 その二つの理由から、5・3&4『レスリングどんたく』福岡2連戦に関するスマホサイト総括のお知らせが今になってしまった。 もう、スーパージュニアが始まってしまったのに……。だけど、まあ試合レポートをしているわけではないから、あくまでよみものとして読んでもらえばいいと思う。 初日のメインイベントはIWGP GLOBALヘビー級選手権。ニック・ネメスvs棚橋弘至の夢カード。こちらは王者であるネメスからの指名試合となる。 周知の通り、世界最大の組織WWEに17年以上も在籍し、すべてのベルトを巻いてグランドスラマーとなったのがドルフ・ジグラー。 WWE退団後、ニック・ネメスに名前を戻し、新日本マットで第二のプロレス人生をスタートするにあたり、IWGP GLOBAL王座を奪取し、さらに憧れの棚橋を挑戦者として指名した。 これがもう、ガチガチのクリーンなレスリングに終始する。クリーンなのに、なぜガチガチと書いたかといえば、アマチュアレスリングの実力者であったネメスの隙のない、厳しい攻めがそうとうにハードであったから。 バックの取り合いを制すると、あらゆる体勢から切り崩して棚橋をグランンドへ誘い込む。そして、棚橋の弱点である左ヒザをしつように攻め立てる。 アントニオ猪木や永田裕志が得意とする変型腕固めの要領で、左足を極めて捻じり上げていく変型ヒールホールドも公開。 驚くほどの引き出しの多さに驚かされた。グランンドでは不利とみた棚橋がスタンドで立体攻撃へ。スリングブレイド、ハイフライアタック、ハイフライフローとラッシュ。               ■写真提供/新日本プロレス しかし、それを両膝で受け止めたネメスは、デンジャーゾーン2連発で棚橋を仕留めた。 この1ヵ月弱、社長業をこなしながらも猛トレーニングを積んできた棚橋。体も近年になく仕上がっていたし、コンディションも悪くはなかった。 それでも、やはりこれが現実。すこし寂しいけれど、現実を見せつけれた。本当にネメスは強かった。ただし、ネメスも棚橋から何かを学んだはず。 バトンは棚橋→ネメスへと受け継がれた。そういう思いを強くさせられるような試合であった。 2日目の後半3試合はどれも白熱した。まず、鷹木信悟vsゲイブ・キッドのNEVER無差別級選手権。 プロレスのセオリーもサイコロジーも存在しない闘い。ひたすら打ち合う、打撃合戦が延々と繰り広げられる。 チョップにはチョップ、エルボーにはエルボー。ラリアットにはラリアット、パンチにはパンチ。 しかも意地を張り、思いっきりやせ我慢して倒れない。たとえダウンを喫してもすぐに起き上がって戦闘体勢へ。              ■写真提供/新日本プロレス これって、プロレスなの……? だけど、かの力道山は言った。 「プロレスの原点は喧嘩なんだ」 ならば、プロレスなのか。現代喧嘩プロレスって感じなのか? ともかく両者とも力尽き、精根尽き果てる寸前に、ラスト・オブ・ザ・ドラゴンが決まって鷹木が王座防衛。 大暴れして大玉砕のゲイブもアッパレだった。 セミファイナルでは因縁のIWGP GLOBALヘビー級選手権が急きょ実現。前日、棚橋戦の余韻に浸るネメスをデビッド・フィンレーが急襲。怒り心頭のネメスが4日のカード変更、フィンレーとのタイトルマッチをぶち上げた。 フィンレーにとっては、2・24札幌のリベ続きをみる

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けなされるのすら愛おしい。
2024/04/18 03:50アメブロ

4月15日、ついにロッシー小川氏(元スターダムEP)が手掛ける新女子プロレス団体の旗揚げ会見が都内ホテルで行なわれた。 団体名はマリーゴールド。正式名称は、DREAM STAR FIGHTING MARIGOLDとなる。 マリーゴールドといえば、あいみょんのヒット曲でも知られる。命名の理由を聞かれると、「あいみょんが好きだから」と小川氏。 その団体名の通りに、会見ひな壇のテーブルには、綺麗なマリーゴールドの花が数多く飾られていた。小川氏は花の色と団体ロゴマークに合わせて、鮮やかすぎるイエローのスーツとネクタイ姿で登場。 こんなド派手な恰好は、2017年5月に還暦祝パーティーを開催し深紅のスーツ姿で登場してきたとき以来だろう。 だけど不思議なのは、こいういうド派手なスーツがこの年齢にしてしっかり似合ってしまうこと。 「俺はあんまり目立っちゃいけないから」 そう言ってはいたけど、目立ちすぎるほど目立っていたのだ。 冒頭のあいさつで、代表取締役のロッシーさんはこう言った。 「令和にできた一番新しい団体なんですけども、私が昭和生まれなもので。昭和のおもしろいエッセンスをスパイスとして注入していきたいと思います。来年は、じつは昭和100年なんですよ。昭和はまだ終わりません」 今回が最後の挑戦と心に決めた小川さんらしい言葉。猪木さんが亡くなり、天龍源一郎、長州力、武藤敬司も引退。昭和プロレスは終わった――そう言われている。 だけど、ここに昭和女子プロレスの生き字引であるロッシー小川がちゃんと生きているということだ。 つづいて、所属となる7選手がひとりずつ紹介を受けて登場。ジュリア、林下詩美、MIRAI、桜井麻衣、高橋奈七永、ビクトリア弓月、石川奈青の順にひな壇に座った。               ©大川 昇 登場順にマイクを持って、入団あいさつ。先陣を切ったジュリアは、こう語った。 「人生、なにが起こるかわかりません。なにが起こるかわからないからこそ、駆け抜ける意味があると思います。安定を求めるのも楽しい。けど、それをぶっ壊すのはもっと楽しい。仲良くなるのもうれしいけど、仲が悪くなるのだっておもしろい。褒められたら気分いいけど、けなされるのすら愛おしい。それが生きるということだと思います。私はいま、間違いなく生きてます!」 いきなり、きたー!言葉選びの天才である。 この短いセリフのなかに、6年余のプロレスキャリアだけではなく、30年生きてきた自分の人生までぶつけてきた。 ジュリアというプロレスラーのベースは喧嘩にある。小学生のころからイジメと差別に立ち向かい、殴り合いをしてきた喧嘩にある。 自分の生きる場所を見つけるために、子どものころから闘いつづけてきたのだ。 ナチュラルボーン・ウォリアー。それがジュリアという生きもの。 次にマイクも持ったのは林下詩美。 「新団体マリーゴールドで、私、林下詩美の新しい挑戦続きをみる

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リングに残された敗者
2024/04/14 19:25アメブロ

4・6両国国技館大会で同門の辻陽太を相手に、IWGP世界ヘビー級王座のⅤ2に成功した内藤哲也。 その余韻が冷めやらぬなか4・13米国シカゴ大会でジョン・モクスリーの挑戦を受けたものの、王座陥落。 新日本の至宝が米国AEWに流失するという、衝撃的な事件に見舞われている。 ただし、今回レポートしているのはやはり4・6両国でのIWGP世界戦である。               ■写真提供/新日本プロレス 新日本プロレス・オフィシャルスマホサイトで12日にアップされているが、内藤と辻の間に生まれた8年ストーリーをドラマとして書かせてもらった。 日体大アメフト部で活躍していた辻は、卒業後に一般企業へと就職した。 その辻がプロレスラーを目指すことを決心したのは、8年前にあの試合と、あのパフォ―マンスを目撃したから。 2016年の4・10両国国技館。時のIWGPヘビー級王者であるオカダ・カズチカに勝利した内藤は、悲願のIWGP王座戴冠に成功しながら、そのベルトを放り投げて退場。 前代未聞のパフォーマンスに心を揺り動かされた辻は、プロレスラーを志しアニマル浜口ジムの門を叩いた。 2021年8月1日、後楽園ホール。海外修行に出る辻の壮行試合の相手を務めたのが内藤。辻の念願がかなった内藤との初シングル戦だった。 結果は、変型の高角度逆エビ固めで内藤の勝利。辻を相手にデスティーノを繰り出すことはなかった。               ■写真提供/新日本プロレス 内藤のIWGPヘビー級ベルト初奪取から8年が経った、2024年の4・6両国国技館で辻は内藤のベルトへと挑んだ。 2年8ヵ月前の壮行試合で敗れたフィニッシュホールドである変型ボストンクラブを逆に内藤に決め続きをみる

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手のひらは物語る
2024/04/07 04:55アメブロ

スポーツ選手における世界最高額で契約し、今シーズンからロサンゼルス・ドジャースの一員となった大谷翔平。 スプリング・トレーニングでも笑顔が絶えなかった。オープン戦でも絶好調のバッティングを披露した。 さらに結婚発表。 夫人同伴で韓国での開幕2連戦を終えた。 その直後、大事件発生。海を渡ってから6年間、公私ともにパートナーであった通訳の水原一平氏の違法賭博疑惑が発覚し、ドジャースは水原氏を即刻解雇。 米メディアは手の平を返すように、水原氏ではなく大谷をたたき始めた。 「大谷には自分自身の口から事情を話す義務がある」 3月25日、大谷が状況説明をする記者会見を開いた。「なぜ質疑応答がないのか!」と、それでも大谷たたきが止まらない。 29日から本拠地ドジャースタジアムでアメリカ本土でのゲームがスタート。 ヒットは出るものの、ホームランが見られない。じつに開幕から8試合、ホームランなし。2018年にエンジェルスに入団して以来のワースト記録。 まして、2番=大谷とMVPトリオを結成する1番=ベッツ、3番=フリーマンが打ちまくる。 日を追って大谷の表情から笑顔が消えていく。正直、その様子を見ているだけで辛くなる。 4月2日からドジャースタジアムで、ライバル球団ジャイアンツとの3連戦が始まった。 テレビ観戦していると、大川昇カメラマンから写真が次々と送られてきた。おいおい、ロスの大谷壁画とドジャースタジアムの風景ではないか? なんと『レッスルマニア』を観戦に行く前に、ロサンゼルスを訪れ3連戦を見とどけるという。 西海岸(ロス)から東海岸(フィラデルフィア)へ長距離移動なんて、アンタはメジャーリーガーかい!? 時差は16時間あるのだが、観ているものは同じ。 試合中に、ラインでやりとりする。 「打球が上がらないねえ」 「速球に振り遅れてファールになってる」 「いまの打席、ホームランボールが2球あったじゃん」 「ベッツがあれだけ打つから力んでるよね」 「大谷から完全に笑顔が消えた…」 こんなネガティブなラインでの会話が3日間つづいた。なんせ、「プロレスより野球が好き」というのが私たちの合言葉。しかも、日本のプロ野球よりメジャーリーグが好きという共通点がある。 そして、9試合目の第4打席。開幕から通算して41打席目。 ついに出た。アウトコース高めのボールを捉えると、打球は右中間の中段席に突き刺さった。 ベテランのロハス親分がベンチを飛び出して両拳を突き上げる。大谷と仲良しのT・エルナンデスがひまわりの種を紙吹雪のように撒き散らす。 ドジャースタジアムのファンは総立ち。もちろん、私も自宅リ続きをみる

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令和の凄玉
2024/03/29 04:36アメブロ

新日本プロレスの『NEW JAPAN CUP 2024』を初出場の辻陽太が5連勝で初制覇した。               ■写真提供/新日本プロレス 1回戦=ジェフ・コブ2回戦=エル・ファンタズモ準々決勝=成田蓮準決勝=EVIL決勝=後藤洋央紀 5人ともキャリアが上であり、簡単に突破できる相手ではない。 しかも、どの試合も内容が伴っていたから、完全優勝といっていいほど納得の結果である。 新世代と称されるZ世代(令和闘魂三銃士&上村優也)がそろい踏みした昨秋あたりから、関係者の間では辻陽太が一枚上と評価されてきた。 私も同じで、辻がアタマひとつ抜け出ていると思って見ていた。なんと言っても、ニタリと笑ったときの真っ白い歯が印象的。 スポーツ選手でいうと、日本ハム・ファイターズ監督の新庄剛志、MLBで活躍するボストン・レッドソックスの吉田正尚が白い歯の双璧。今回の大躍進により辻陽太も‟ホワイト・ティース”三銃士の仲間入りなのだ(笑)。 それはともかく、実際の辻は180㎝そこそこの身長なのに(※公式では182㎝)、横幅と分厚さがあるから、リングに上がるとはるかに大きく見える。 スピード、パワー、瞬発力、空中戦、切り返し、オリジナルの荒っぽい攻撃とオールマイティーな男。 さらに、マイクパフォ―マンスも上手いし、コメントを聞くと発言も理路整然としている。 彼の発信する言葉を確認してみると、棚橋&オカダ&内藤のエッセンスを感じる。 かつて、藤田和之に‟野獣”と命名したのはゴング時代の私なのだが、それ以前の若手時代の藤田に付けたキャッチフレーズが‟凄玉”だった。 それ以来の凄玉登場!そう痛感させられるほど、規格外の凄みを今大会から感じたしだい。               ■写真提供/新日本プロレス 3・20アオーレ長岡大会の決勝のリングで対峙した相手は、過去3回の最多優勝記録を持ち7回目の決勝進出となる後藤。 最近はYOSHI‐HASHIとの毘沙門としてタッグ屋の印象が強いし、ファイナルのリングに立つのもじつ8年ぶり。まして、準々決勝ではデビッド・フィンレーに不戦勝と運もよかった。 ただ、準決勝のSANADA戦を経て決勝のゴングが鳴ったとき、会場には間違いなく後藤への追い風が吹いていた。 8年前の決勝で内藤に敗れ、失意のなかでCHAOS入り。一方、優勝した内藤は4月の両国でオカダからIWGPヘビー級王座を奪取。これを機に内藤は大ブレイクして、現在の地位まで上り詰めている。 今回の『NJC』を制覇し8年越しの内藤へのリベンジを狙う続きをみる

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最後の吉江コール
2024/03/19 04:10アメブロ

プロレスラー・吉江豊さんが亡くなった。享年50。 若すぎる、早すぎる、突然の訃報に愕然とした。 10日、全日本プロレスの高崎大会に出場した吉江(※、以下、敬称略)。試合後、コメントを残し控室にもどりイスに腰かけて、そのまま静かに息を引きとったという。 死因は動脈硬化だった。 吉江は群馬県前橋市の出身。地元の隣町である高崎市での試合。 通夜と告別式は、前橋市内の斎場にて営まれている。 通夜は14日で、告別式は15日。 通夜には多くのレスラー、OB、関係者が駆け付たという。14日には外せない私用があったので、私が式場に出向いたのは15日の葬儀。 葬儀が始まる1時間前に式場に着いた。献花の数があまりにも多く式場内だけでは収まりきらず、廊下にもズラリと並べられている。 真っ先に吉江の愛妻である美奈さんと、兄でお笑い芸人のよしえつねおさんにお悔やみの言葉をかける。 お二人とも古くからの知り合い。 吉江が亡くなったときの状況をつねおさんが聞かせてくれた。そして、「どうぞ、弟に会ってやってください」。 棺のなかに、試合コスチュームで吉江が眠っていた。眠っているという表現が一番ぴったりとくる穏やかな顔。彼と会うのは3年ぶりぐらいかな? 最後に会ったのは、後楽園ホールだった。控室を出た通路のところでバッタリ出くわした。 「あぁー!」 「あらぁー!」 お互いの顔も見合わせてそう叫ぶと、彼の巨体に押しつぶされそうになりながらも、しっかりハグした。 10分ほど互いの近況報告。昔と変わらぬ人懐っこい笑顔に癒された。やっぱり何年ぶりに会おうとも吉江は吉江だった。 それ以来の悲しい再会。それなのに穏やかな顔を見ているとなぜか涙は出てこない。普通サイズの棺に窮屈そうに収めらている160㎏の巨体。 「あのー、ちょっとこのベッド狭いんですけどねえ」 苦笑いしながら今にもそう言いだしそうな感じ。もし私が棺を2回叩いたら、3カウントの前に肩を上げそうな気さえしてきた。 美奈さんと会うのは十何年ぶりだろうか? 「吉江君との思い出をブログに書きたいんですけど、祭壇の写真を撮らせてもらってもいいでしょうか?」 「どうぞどうぞ!主人は絶対そういうのを喜びますから」 突然のできごとから、まだ5日も経っていない。憔悴しているのは当たり前のことなのだろうが、持ち前の明るさで元気を振り絞って、なんとか気持ちを保っているのだろう。 美奈さんは、そういう女性なのだ。吉江の顔を見るより、彼女を見ているほうがずっと辛かった。 読経が終わり、弔辞を述べたのは棚橋弘至。2003年6月、日本武道館で蝶天タッグの保持するIWGPタッグ王座を奪取したのが、吉江&棚橋のコンビ。 以降、半年間で3度の防衛に成功している。実質6カ月天下ながら、私はこのタッグチームが好きだった。 体格とパワーで攻める吉江に、スピードとキレで勝負する棚橋。まったくタイプが違うのに、なぜかコンビネーションは抜群だった。 「僕が新日本プロレスに入門したとき、吉江さんが寮長でした。練習は厳しい、道場は厳しいと聞いてビビりながら入門したんですけど、吉江さんがとても優しくて、いつも笑っていてホッとしたのを憶えてます。受身の練習でも吉江さんの受身が一番巧くて参考にさせてもらいました。最近、蝶野、天山組からIWGPタッグを獲った試合を見直したんですけど、僕はほとんど活躍していなかった。コーナーで吉江さんが待っていてくれるという安心感だけで、僕は好き勝手やって、あとはお願いしますみたいな感じでした。吉江さん、またタッグを組んで2人でボディプレスを決めて勝ちましょう!」 そうか、そういうことだったのか! 先ほど吉江&棚橋のタッグが好きだったと記したが、あのころの棚橋はキャリア的にもまだ未熟だったから、吉江、棚橋組への思い入れを過去にほとんど語ったことがない。 初めて明かした5年先輩への感謝の気持ち。 それに、当時の棚橋はまだハイフライフローを使っていなかった。いまなら、どうだろう?ハイフライフローと160㎏ダイビングボディプレスが同時に炸裂したなら、会場は大爆発間違いなしだろう。 棚橋の弔辞は、吉江に対する感謝に溢れていた。 焼香が終わり、喪主の美奈さんからの挨拶。 「明るくて、楽しくて優しい吉江豊というプロレスラーがいたことだけは、みなさんいつまでも憶えていてください」 気丈に挨拶を終えた美奈さん。だけど、そこまでが限界だったのかもしれない。 それ以降、遺族、参列者が棺に花を捧げたときから、もう美奈さんの涙が止まらなかった。 逝ってしまった者より残された者のほうが辛い――。当たり前の話だけど、それを現実に見せられてしまうと心が痛む。 最後に、つねお兄貴が10カウントゴングで送り出す。 「吉江兄弟最高の最強の弟、そして吉江美奈最愛のパートーナー、180センチ、160キロ、吉江ユタカー!!」 そう絶叫すると、お馴染みの入場テーマ曲である『Wild night』が鳴り響く。 参列者からは「吉江コール」の大合唱。 最期のお別れ。レスラー陣によって棺が車へと運びだされる。 棚橋、藤田和之、高岩竜一、長井満也、征矢学と屈強な現役プロレスラーが5人いても160㎏の吉江は重い。車へと運び入れる際にも四苦八苦。こんなところでも、また吉江伝説が生まれた…。 車のハザードランプが点滅し、ついに出棺。まだ多くの参列者が残ってそれを見送ろうとしている。 私の隣にいた藤田が大きな声で「吉江コール」を叫びはじめた。藤田が音頭をとる格好となって、盛大な「吉江コール」へ。 最期まで元気に明るく――。みんなが吉江の性格を知っているからこそ続きをみる

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ジュリア陥落!たむと最終決戦へ
2024/03/15 03:19アメブロ

スターダム『CINDERERA TOURNAMENT 2024』開幕2連戦の最注目カードは、ケイ椎ヘルニアにより欠場していたなつぽいの5ヵ月ぶりの復帰戦と、STRONG女子王者であるジュリアの10度目の防衛戦だった。 結果的に、3・10後楽園ホール大会でのタイトルマッチでCMLL女子2冠王者のステファニー・バッケルに敗れ王座陥落。 その後、大江戸隊の襲撃を受けたジュリアを中野たむが体を張って救出するサプライズ劇も勃発。 これを受けジュリアvsたむによるライバル最終決戦が、この3月中にも実現しそうな気配となってきた。 前日の3・9横浜武道館大会で行なわれたSTRONG女子前哨戦カードは、ジュリア&朱里&小波vsバッケル&渡辺桃&フキゲンです★の6人タッグ戦。 ジュリアにとって心を許せる数少ない先輩である朱里と小波が脇を固めた盤石の布陣。 すでに3月中のスターダム退団が確実視されているジュリア。ファンもマスコミをそういう目で見守っているうえに、先輩2選手の先導を受けてジュリアが主役としてリングイン。 そのときの会場の空気感ときたらSTRONG女子前哨戦云々ではなく、もはやジュリア‟さよならツアー”のスタートといった趣きでもあった。 実際に、この3選手が組めば圧倒的な強さを発揮する。久しぶりのタッグとはいえ、息がピッタリ。 試合後のバックヤードでも3人の笑顔がはじけた。ただし、ほんのすこしの絡みだったとはいえ、ジュリアはバッケルの印象をこう語っている。 「今日ちょっと手を合わせた感じだと、噛み合わない相手だなっていうのが正直な感想」 メキシコのルチャをベースにした選手との対戦経験はすくない。エルボーをガンガン打ちこんでも、バッケルはチョップで返してくる。そのあたりも、多少勝手が違ったのかもしれない。 バッケルは、チリ共和国出身でキャリア15年。体格はほぼジュリアと変わらず、年齢も同じ30歳。 ただ、かるくジュリアの倍以上のキャリアを持ち、生き馬の目を抜くような生存競争の激しいメキシコマット界でシングル&タッグのトップに君臨している実績はホンモノ。 過去をさかのぼれば、2018年にスターダムに来日しており、2022年の8~9月にはアイスリボンのリングで、安納サオリと激しすぎる抗争を展開している。 また、昨年の11月にはダラス大会で岩谷麻優のIWGP女子王座に挑戦。敗れはしたものの、岩谷をそうとう追い込んでみせた。 率直にいうなら、強いというよりエゲツない。気性が激しいというより、荒々しい。 まあ、それらすべてをふくめて強いといえるのかもしれない。 ジュリア、スターダム所属ラスト後楽園ホールの空気にも包まれた大会。メインのSTRONG女子選手権は、いきなりハイスパートから始まる。 開始早々、ジュリアがロープワークの際にルチャムーブを披露。ただし、これはホンのご愛嬌といったところ。 打ち合い、絞め合い、ヘッドバット合戦。噛み合っているのか、いないのか? バッケルがトップロープ越しの腕十字を見せると、ジュリアはSTF、ビアンカで追い込んでいく。 ただ、少なくとも相手の力を引き出して……といういつものジュリアらしい闘い模様とはいかなかった。 相手のフィニッシャーは絶対に食わない。ノーザンライトボムはすぐさま回避されたし、バッケルのフィニッシャーであるパッケージ式バックブリーカーも二度ジュリアは回避した。 ラストは意外な結末。スピーディーなDDTを決めた直後にバッケルがジュリアを瞬時に丸め込んだ。 丸め込まれた両足を激しくばたつかせキックアウトしようとする。カウント2でジュリアの右肩が上がっていたように見えたが、レフェリーはそのまま3カウントを数えた。 決着タイムは、11分03秒。タイトルマッチと続きをみる

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最後の対峙
2024/03/03 02:00アメブロ

2月23日&24日、札幌・北海きたえーる2連戦として開催された大会を今回も新日本プロレス・オフィシャルスマホ(web)にて総括している。 とにかくテンコ盛りの興行だったので、総括する試合も多すぎて大変ではあったのだ(苦笑)。                           ■写真提供/新日本プロレス 初日の注目カードはまずIWGP女子選手権。第3代王者の岩谷麻優に白川未奈が挑戦した一番。 新日本のリングでIWGP女子選手権が開催されるのは、今回が4度目となる。 昨年の4・23スターダム横浜アリーナ大会でメルセデス・モネからベルト奪いあらためてアイコンとしての力量を証明してみせた岩谷。以来、新日本マットでの防衛戦を熱望してきた。 天才肌の岩谷に挑戦を表明したのは、白川未奈。こちらはアイドル上がりながら努力ひと筋、根性のオンナ。とくに、この1年での急成長には目を見張るものがあった。 昨年の4・23横浜アリーナではワンダー・オブ・スターダム選手権を初戴冠。その後、ワールド王者・中野たむとのダブルタイトル戦には敗れて陥落。 それでも白川は決して折れない。8月の『5☆STAR GP』公式戦では、岩谷と並ぶ実力者であり現STRONG王者のジュリアからシングル初勝利を奪ってみせた。                             ■写真提供/新日本プロレス IWGP女子王座が創設される際には賛否両論が渦巻いた。 ところが、今となっては否定派の声など鳴りを潜めている。スターダムには闘いがある。体を張った身を削る闘いに男も女も関係ないのだ。 前半は白川得意の一点集中攻撃が冴えわたり、徹底した足攻めに岩谷が苦悶するシーンが多かった。                             ■写真提供/新日本プロレス ところが、終盤になって岩谷が大爆発。ダイビングフットスタンプ、ムーンサルトプレスからオリジナルの二段式ドラゴンスープレックスで快勝。 堂々たるⅤ4を達成している。これがスターダム1期生、キャリア13年の重みなのだ。 IWGPジュニアヘビー級選手権では、1・4東京ドームで王座返り咲きを果たしたばかりのエル・デスペラードがSHOに敗れる大波乱の結末。                               ■写真提供/新日本プロレス また、NEVER無差別級選手権でもライバル成田蓮を下して勢いに乗る海野翔太がEVILに屈して大の字となる屈辱を味わった。                               ■写真提供/新日本プロレス 両試合とも当然のように(?)HOUSE OF TOTUREのメンバーが加担。レフェリー不在の空間を作り上げ乱入・介入とやりたい放題。 それにしても、慣れというのは恐ろしい。H.O.Tの戦法には非難、批判しかなかったのだが、いまではH.O.Tを応援する会場の声も聞こえてくる。 とくにタイトルマッチでは許される行為ではないのだが、ここまで‟悪”に振り切っていると上手いなあと感心してしまうこともある。 なかでも、あれだけ好青年だったSHOがここまで化けるとは驚きでもある。まるで水を得た魚のようなのだ。 この勝利によって、3・6旗揚げ記念日ではIWGP世界ヘビー級王者との対戦権利までゲットしている。 セミファイナルのNJPW WORLD認定TV選手権では、初来日のマット・リドルに棚橋が敗れベルトを失った。 総合格闘技UFC出身で近年WWEでも活躍したリドル。プロレスキャリアが浅いためか若干、棚橋もやりづらそう。 多少ムーブはぎこちないものの、身体能力は半端ない。ヒザ蹴りからブロストーン(ゴッチ式ツームストンパイルドライバー)を決めたリドルが新王者となった。 新日本のリング、闘いに慣れてくれば怖い存在となるだろう。 初日のメインはIWGP GLOBALヘビー級選手権。1・4東京ドームで大乱闘を展開した因縁の両選手が対決。王者のデビッド・フィンレーに挑むのはニック・ネメス。 ニック・ネメスという名前にピンとこないファンであっても、元WWEのドルフ・ジグラーならだれでも知っているだろう。 WWEでのキャリアは20年近くを数え、その間、すべてのベルトを獲得するグランドスラムを達成。2017年5月にはNXTからスマックダウンに昇格した中邑真輔のWWEデビュー戦の相手も務めている。 率直なところ、ネメスとフィンレーでは実績も格も違う。それでも、臆するどころか正面から喧嘩を売るのがフィンレーの凄み。さすが三世レスラーにして、「空気を読まない男」なのだ。 1発1発、的確な技を叩き込んでいくネメスに対し、ラフも交えながら左ヒザを狙い撃ちにするフィンレー。 大技の攻防となっても一歩も退かない。意地のエルボー、パンチ合戦、ヘッドバットの応酬もエンドレスの様相。 だが、勝負所でネメスが上まわった。101(スーパーキック)から必殺のデンジャーゾーン炸裂。               ■写真提供/新日本プロレス 1発で勝負を決め、ベルトを奪取してのけた。ネメスには文字通りグローバル(地球規模)のベルトがよく似合う。 自分のレスラー人生の第二章を新日本のリングと定めたネメスは、新日本プロレスと棚橋へのリスペクトを口にした。 無論、BCのリーダーであるフィンレーも黙ってはいないだろう。 札幌2日目の目玉は、IWGP世界ヘビー級選手権をメインに据えたロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン対Just5Guysによる5対5対抗戦。 対抗戦2試合目の高橋ヒロムvsDUOKIは凄まじくヒートした。この両選手、じつは2010年デビューの同期(ダジャレ続きをみる

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25年目の邂逅
2024/02/23 05:52アメブロ

2月15日、後楽園ホールで開催されたTEAM NOAH主催『リミットブレイク』で24年以上も交わることのなかった藤田和之と真壁刀義の同期対決が実現した。 藤田和之&齋藤彰俊vs真壁刀義&本間朋晃。 オールドファンにとっては堪らない顔合わせ。藤田と真壁…彼らをデビュー前からよく知っている私からすれば、同期としての絆を知り尽くしているだけに待望のマッチアップとなる。 1996年4月30日、学生プロレス上がりの真壁が新日本プロレス入門。 全日本学生選手権4連覇、全日本選手権2連覇の実績を持つ『闘魂クラブ』所属の藤田がアトランタ五輪出場の夢が敗れ、新日本プロレス入門を決めたのは同年5月20日のこと。 2人は、後楽園ホールのリング上から新日本プロレス入門の挨拶を行なっている。 しかし、2人に対する扱いはまさに雲泥の差だった。 すでに体が出来上がっており、受け身を1カ月でマスターしてしまった天性の格闘家である藤田。 デビュー前からアントニオ猪木の目に留まり、猪木がロサンゼルスに帰米する際の付人も命じられた。 合同練習のメニューも余裕でこなしてしまうし、道場でスパーリングをやれば、藤田が一番強い。 それまでスパーリング最強は石澤常光(ケンドー・カシン)だったが、限りなく現役アマチュアレスラーに近い藤田には敵わない。それが悔しくて、石澤がウエートトレーニングを初めたのも有名な話。 一方の真壁は、道場でも巡業先でも先輩からしごかれまくった。さらに、あらゆる先輩に命じられるまま雑用係を1人でこなしていた。 「俺ね、藤田君とは5カ月ぐらい口きかなかった。弱いくせに敵対意識もっていたんだよね。俺はメチャクチャしごかれて、雑用やらされているのに、先輩連中は藤田君にはなにも言わない、雑用も言いつけない。怒られるところなんか見たこともない。だから『1ヵ月だろうと、テメェ―が後輩だろ!』と思っていたんだよね」 同年11月1日、広島グリーンアリーナで藤田はデビュー。対戦相手は永田裕志で、この一戦はテレビ収録されオンエアされている。まさに、スーパールーキーの扱いであった。 それ以降、藤田は先輩の吉江豊、ブラック・キャット、永田らと対戦しているが、なんとデビュー16戦目にして早くも初勝利をあげている。 12月10日、大阪府立体育会館。相手は、齋藤彰俊だった。当時、平成維震軍の斬り込み隊長であり、キャリアで6年も上まわる彰俊から腕ひしぎ十字固め(9分10秒)で1本勝ちを収めた。 やはり、藤田は並みのルーキーではなかった。その彰俊と今回タッグを結成するのも、じつは裏テーマであり、感慨深いのだ。 一方の真壁は、翌97年2月15日、神奈川・大和工業体育館でデビュー。教育係を務めていた大谷晋二郎とデビュー戦を行ない敗れている。 藤田と真壁の距離が急速に縮まったのは、藤田がデビュー戦を迎える1カ月前ほどのこと。 巡業中には、否応なしに先輩の洗濯物もコインランドリーで洗濯する。新弟子の場合、その後に食事にありつくから夜中の12時を過ぎることも多い。一緒にコインランドリーにいるとき、藤田のほうから話しかけてきた。 「真壁さん、このあと暇ですか?良かったらメシ食いにいきませんか?」 初めて2人きりで食事をした。お金もないからラーメンを食べた。その日を境に2人は打ち解けて、腹を割ってなんでも話すようになった。 「実際に話してみると印象がぜんぜん違った。自分の実力をひけらかすこともないし、人の悪口を言わない。『本当に強い人間っていうのは、こういう男なんだな』って。それでいて、豪快な性格に見えるけどすごく繊細な面もあってね」 相変わらず、巡業先でも真壁は先輩からしごかれまくっていた。理不尽なしごき、さらに鉄拳を食らわされて心が折れそうになったこともある。 そのシーンを見ていた外国人選手…あのホーク・ウォリアーなどが、「ああいうのはやめさせたほうがいい!」と意見するほどの厳しいシゴキ。それを黙って見ていた藤田が真壁に駆け寄ってくる。 「さっきの真壁さんはなにも悪くないですよ。俺、ずっと見てましたから!」 藤田の冗談好きにも何度かすくわれた。藤田が橋本真也、真壁が長州力の付人時代である。 「夜中にホテルの部屋をノックする音が聞こえたから開けてみたら、藤田君が橋本さんのガウンを着ていて、『「ハシモト・シンヤ~!』って自分でコールしながら橋本さんのマネをしてるんです。俺もすかさず長州さんのトレーナーを取り出して来て、『チョウシュ―・リーキ~!』ってやりましたよ(笑)。そういう馬鹿なこともやったりして楽しかったなあ」 もうひとつ、興味深いのは2人がシングル対決をしたとき。当然のように、結果は藤田の全勝に終わっている。おもしろいのは、いつも2人の試合後のコメントが同じだったこと。 判で押したように同じ答えが返ってくるのだ。 「レスリングの技術でもパワーでも藤田にはまだ敵わない。でも、プロレスに懸ける情熱では彼には絶対に負けないですから」 「試合では僕が勝ったけど、プロレスに対する熱い気持ち、精神的な面では真壁さんに負けているような気がします」 実力に差はあっても、2人の気持ちは通じ合っていたのだ。 そんな2人に別れは突然やってきた。 2000年の年明けに藤田は新日本プロレスを退団。総合格闘家として、『PRIDE』出陣が決まった。 正月の早朝、藤田は真壁に退団することを打ち明続きをみる

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至極の闘魂名勝負
2024/02/16 20:37アメブロ

新日本プロレスの2・11エディオンアリーナ大阪大会は、大袈裟ではなく新日本の歴史に刻まれる一夜となった。              ■写真提供/新日本プロレス 新日本を復活させた男vs新日本を変えた男、棚橋弘至とオカダ・カズチカによる最後の一騎打ち。 テクニカル№1決定戦と称され実現したザック・セイバーJr・vsブライアン・ダニエルソンの息をのむような珠玉の名勝負。 8年にわたり新日本で腕を磨きトップ外国人となったウィル・オスプレイの新日本所属ラストマッチ。 この3試合がまったく色合いの違う絶大なインパクトを放ったのである。 まず、第5試合に組まれた棚橋ーオカダ戦。 まる12年前の2・12エディオンアリーナ大阪大会でIWGPヘビー級選手権を懸けて両者はシングル初対戦。 すでに同ベルトの最多防衛記録Ⅴ11を樹立していた絶対王者を、海外修行から凱旋して1カ月余のオカダがレインメーカー1発で仕留めた。               ■写真提供/新日本プロレス あのレインメーカーショックからスタートしたライバル関係。過去のシングル戦績は16戦して、オカダの8勝5敗3分け。 1・4東京ドーム大会メインのIWGPヘビー級選手権にかぎるなら、2013年、2015年と棚橋が王座防衛、2016年に初めてオカダが勝利を飾った。 「IWGPは、遠いぞ!」 両者による闘いの歴史においてキーワードとなったのは、つねにこのひとことでもあった。 17度目の一騎打ち。正直、コンディション面では比較にならない。 いまが絶頂期であるオカダに対し、すでに社長業と二足のわらじでリングに立っている棚橋。 それでも12年分の思いを込めて、棚橋は現在のすべてをぶつけていく。場外のオカダへ向けてハイフライアタック。 スリングブレイド、電光石火(高速スモールパッケージ)で、オカダの仕掛けるレインメーカーも二度切り返してみせた。 だが、最後は兄貴分の中邑真輔を意識したランドスライドから、完璧なレインメーカーを炸裂させてオカダが‟今”を見せつけた。               ■写真提供/新日本プロレス ライバル闘争終焉……リング中央で抱擁する両雄。棚橋が耳もとでかける言葉に何度も頷くオカダ。 その後、ライオンマークのに向かって座礼したオカダは号泣。 泣きすぎじゃないかって?仕方がないだろう。なぜなら、それがオカダという人間なのだから。               ■写真提供/新日本プロレス 闘い終われば、素直で心優しい好青年。 棚橋の思いも背負って、オカダ・カズチカは世界へと旅立っていく。 セミファイナルで実現したスペシャルシングルマッチのザック・セイバーJr.vsブライアン・ダニエルソン。 この一戦は戦前の予想、想像をはるかに超えてみせた。リング上、館内がただならぬ緊張感につつまれるなか、リスト(手首)の取り合い、極め合い、切り返し合戦からスタート。 キャチ・アズ・キャッチ・キャン(ランカシャースタイル)をベースに、ノアマットで腕を磨き、新日本の外国人トップに躍り出たザック。 アントニオ猪木が設立した旧ロス道場で闘いとレスリングを学び、新日本、ノア、ROHを経て、世界最高の団体WWEに進出しトップスーパースターに上り詰めたブライアン。 アキレス腱固めにはアキレス腱固め。ヒールホールドに移行すれば、同じカタチで切り返していく。テクニック面で一歩も退かない。 そればかりか、アキレス腱を極め合う攻防の途中、互いに張り手を連発したり空いているほうの足で相手の顔面を蹴り飛ばしていく。続きをみる

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イケメン、福島初参戦
2024/02/05 01:35アメブロ

2013年6月からスタートし通算10回にもわたり、ワタクシ金沢のトークイベントを開催してくれている福島市内のロックバー『ザ・デイ・オブ・レイジ』に、‟イケメン二郎”こと黒潮TOKYOジャパンが初登場! 2月10日(土)、16時より福島にて初トークイベントを開催する。 リング上同様にふだんも明るく楽しいイケメンさん。ノーSNSトークで、はたしてどんなオモシロ話が飛び出すのか? また、お酒好きのイケメンはもちろんアフタートーク(二次会)にも参加。こちらのほうも、本番以上の盛り上がりをみせることは必至なのだ。 イケメンと身近に接する滅多にないチャンス。どうぞ、ふるって参加してみてね。 限定25名のイベントなので、申し込みはお早めに! 以下、イベントの詳細。 Fukushima Royal Rumble vol.60▶黒潮TOKYOジャパン(ex 黒潮‟イケメン”二郎)イケメン・トーク@デイジ~SMASH➡WNC➡WRESTLE-1➡フリー➡WWE➡フ続きをみる

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