佐藤滋のSNS
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夏をしに行く、について
好きな季節は?と訊かれたら、夏です!と答える、雪国育ちの僕です飛行機に乗って、豊岡へ出演する豊岡演劇祭の準備に向かいま…
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出会うこと、について(出演します)
こんにちは、お久しぶりです、滋です。ちょっと、昔話をさせてください。芝居を始めたばかりの頃、僕は、大きなスーパーの野菜…
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さよなら『K2』、について
滋企画『K2』が終わりました。終わってから、まるまる1ヶ月(!)経って、ようやくこうしてブログを書くことができています…
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サミットプッシュ、について
サミットプッシュ というのは、登山の言葉で、「山頂への最終アタック」のことです。何日も時間をかけて高所に身体を慣らし、…
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千秋楽について
ただいま、2022年10月23日(日)18:00です。ヌトミック『SUPERHUMAN2022』の千秋楽が、芝公園で始…
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ゆうべの月について
豊岡へ、青年団の公演のための合宿に来ています。夜、稽古のあと、劇場からひとりでぶらぶら歩いて最寄りのコンビニまで 最寄…
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入道雲について〈出演します〉
まばたきの間に梅雨は終わっていて、びっくりするような暑さがやってきましたがみなさんお元気ですか僕は元気です「最近ちゃん…
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ほろびて『心白』について
ほろびて、という団体の、『心白』という作品に出演します。6月1日(水)から5日(日)まで せんがわ劇場で上演します。今…
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今年の目標について
先日、1500m走を計測してきました。これは、毎年やっている、「1500mを5分以内に走りきることを自分自身の誕生日プ…
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18歳について
お久しぶりです、お元気ですかマスクをつけたままの人の顔、ばかり見ているので、頭のどこかが正直ちょっともうしんどくなって…
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世田谷シルク第14回公演
「工場」「夜景には写らない」
2023年6月14日(水)〜18日(日)
脚本・演出 堀川炎
世界は”すこし変”で彩られている
【会場】
座・高円寺1
(JR高円寺駅 北口徒歩5分)
(東京都杉並区高円寺北2-1-2)
【日程】
6/14(水) ♦︎工場19:30〜(初日割)
15(木) ♢夜景19:30〜(初日割)
16(金) ♦︎工場14:00〜(託児サービス)
♢夜景19:30〜
17(土) ♢夜景11:00〜(託児サービス)
♦︎工場15:00〜(託児サービス)
18(日) ♦︎工場11:00〜
♢夜景15:00〜
【チケット料金】(前売り・予約ともに)
・初日割引 4,500円
・通常料金 5,000円
・U-25 3,500円(身分証提示)
★セット割 9,000円(前売りのみ)
【チケット取り扱い】
○世田谷シルク
https://www.setagaya-silk.com
○座・高円寺チケットボックス
https://za-koenji.jp/ticket/
【出演者】
ーー工場ーー
石川彰子(青年団)
大迫健司(関かおりPUNCTUMUN)
大原富如(ユトサトリ。)
串尾一輝(青年団/グループ・野原)
佐藤滋(青年団/滋企画)
須﨑天啓
堀川炎(世田谷シルク)
ーー夜景には写らないーー
石川彰子(青年団)
岩田裕耳
大迫健司(関かおりPUNCTUMUN)
大原富如(ユトサトリ。)
佐藤滋(青年団/滋企画)
高野将大
塚越健一
野島優奈
橋詰高志
矢内久美子(創造集団g-クラウド)
【スタッフ】
舞台監督:土居歩
照明:阿部将之(LICHT-ER)
音響:佐久間修一(POCO)
作曲:竹内一樹
舞台美術:鈴木健介
演出補:海野広雄(オフィス櫻華)
演出助手:紫藤祐弥(ダンサンブル)、南咲
宣伝美術:金定和沙
イラスト製作:美藤圭
写真:大倉英揮
映像:神之門隆広
制作:太田久美子(青年団)
【お問い合わせ】
世田谷シルク
050-3575-9794(全日 10:00〜18:00)
info@setagaya-silk.com
豊岡へ、青年団の公演のための合宿に来ています。
夜、稽古のあと、劇場からひとりでぶらぶら歩いて最寄りのコンビニまで 最寄りの、といってもだいぶ遠いのですが
でもこの暗い長い一本道を歩くのが、僕は嫌いではなくて
そういえばゆうべも月がすごくて 大きくて
ちょっと赤いんですね、それが雲に隠れたり出てきたり
その月を眺めながらぶらぶら歩いていて
思い出したりしていました
月を見ながら話した、あの人やあの人やあの人のこと
月を見てほしくて電話をかけたこともありました 迷惑がらずに出てくれたこと
「月がすごいよね、」「ほんとだね」
そういうことが話したくてしかたがない夜に
それがかなわずひとりで歩く夜に
そういう夜に
昨日も、
去年も、
数年前も、無いんじゃないか とか思ったりして
入道雲に、昨日も去年も数年前も無いのとおんなじように
○○○○○○○○○○○○○○○○○○
夏が始まった、と思って
麦わら帽子と虫取網を取りに家に帰って
あわてて玄関を飛び出た僕は
もうすでに夏の終わりの匂いを鼻の先っぽで嗅いでしまっていて
それにわざと気づかないように
走った
サンダルで
この夏は特別だ
と、毎年思います
今年もちゃんと思っています
目前にやることがちゃんとある
夏休みの宿題みたいに無理矢理に渡されたものではなくて
自分で自分の、目の前に置いた宿題
これをやって
夢中でやって
ふと顔を上げたら、秋にでもなっていればいい
それでいい
まばたきの間に梅雨は終わっていて、びっくりするような暑さがやってきましたが
みなさんお元気ですか
僕は元気です
「最近ちゃんとぼんやりできてないかもしれない」
と、ふと、思って
その理由はすぐに手にしてしまうスマートフォンのせいかもしれないと気づいて
いつも乗る電車の中で、
耳にイヤホンさして音楽聴いたり、TwitterやInstagram見たりせずに、
吊革つかまったままぼんやりしてみようとしました
そしたらようやく、ポツリポツリと遠慮がちに聞こえてくる声があって
それは他の誰でもない
自分の声
「ごめんよ、今ちょっといい?」
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
もちろん
こちらこそごめん
話さなきゃいけないこと、話したいこと
いっぱいあったのに
えっと、どですか
いやぁ時間が早くてね、ずっと言ってるかもだけど
でも入道雲は相変わらずだね
だから入道雲見てるとタイムスリップするみたいな気持ちになるね
高校時代のサッカー部のグラウンドから見てたやつとおんなじだから
お前、ずっとおんなじこと言ってるね
∞∞∞∞∞∞∞∞∞
ゆうべ
どうってことない話題でLINEをくれたともだちに
真夜中に電話をかけてたくさん話しました
相変わらずの口調を聞きながら、あいつの表情を、想像してみたりしていました
話したり、黙ったり
平気で何分か黙ってたり
でもお互い全然気にしなかったり
20年前くらいにも、よくこんな電話をしてたね
途中でどっちかが寝てたりしてた
今はなんかカタカタ聞こえてるぞ
忙しいあいつのことだから、仕事でもしながら電話してんのか
相変わらずだなおい
それからあいつは、今自分の身体に起きている、少しびっくりするような出来事を、あっけらかんと話してくれました
でも大丈夫 お前なら大丈夫
と 僕もあっけらかんと(何度も)言いました 大丈夫 絶対大丈夫
あ、あとそうだ、誕生日おめでとう
おやすみ またな
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
七夕の日から始まる、やしゃご『きゃんと、すたんどみー、なう。』のこと、書きます。
やしゃごは、僕の大好きな、伊藤毅くんが主宰の劇団です。
いとうちゃんと、いとうちゃんのこと大好きな役者とスタッフが集まって、わいわいと楽しく、しんどく、つらく、うれしいことを、しています。
この作品を、僕は五年前、客席から観ていました。
終演後席をなかなか立てず、家に帰る気持ちになれず、「どうすりゃいいのよ」といとうちゃんに詰めよって、笑われました。そんな思い出があります。
今回、出演します。うれしいな。なるべくたくさんの人に観てもらって、届けられたらしあわせです。
ぜひ、池袋へいらしていただけたらと思っています。
お待ちしています。
(チケット予約はこちらからできますのでよかったら…↓)
https://ticket.corich.jp/apply/141269/005/
芸劇eyes
青年団リンク やしゃご
『きゃんと、すたんどみー、なう。』
作・演出 伊藤 毅
2022年7月7日(木)~7月17日(日)
東京芸術劇場シアターイースト
▼詳細▼
https://itokikaku.jimdofree.com/
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関東圏郊外。三人姉妹が住む一軒家。
長女は、知的障がい者である。
親はもうなく、主に三女が家を仕切っている。
次女が結婚し、夫と建てた新居への引っ越し日。
引っ越し業者とともに作業をする姉妹たち。
そこに、長女と結婚したいという男が現れる。
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これは、2017年の初演時に寄せたあらすじです。
この5 年の間に、それまでの問題はそのままで、様々なことが変わりすぎてしまった気がします。
2022 年の『きゃんと、すたんどみー、なう。』は、上演当初とは違うお話になるかもしれません。
何にせよ、今のやしゃごのできるだけをお見せ出来たらと思っております。
ぜひ、皆さま、万障お繰り合わせの上、足をお運びいただけますと幸いです。(作・演出/伊藤毅)
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【出演】
井上みなみ
緑川史絵
佐藤 滋
藤谷みき (以上、青年団)
赤刎千久子(ホエイ)
海老根理
岡野康弘(Mrs.fictions)
清水 緑
辻 響平(かわいいコンビニ店員飯田さん)
とみやまあゆみ(演劇ユニット鵺的)
豊田可奈子
藤尾勘太郎
【スタッフ】
作・演出:伊藤毅
照明:伊藤泰行
音響:泉田雄太
舞台美術:谷佳那香
小道具・衣装:石原朋香
チラシ装画:赤刎千久子
宣伝美術:フルタヨウスケ
制作:河野遥(ヌトミック)
制作補佐:眞砂麻衣
舞台監督:中西隆雄/鳥巣真理子
【公演日程】
7月
7日(木) 19:00★=プレビュー公演
8日(金) 19:00
9日(土) 18:00
10日(日) 13:00
11日(月) 休演日
12日(火) 休演日
13日(水) 14:00
14日(木) 19:00
15日(金) 19:00
16日(土) 13:00/18:00
17日(日) 13:00
受付開始は開演の45分前、開場は開演の30分(上演時間は110分を予定。変更の可能性あり。)
【チケット料金(予約・当日共に)】
一般 4000円
★プレビュー公演 3000円
高校生以下 2000円
ほろびて、という団体の、『心白』という作品に出演します。6月1日(水)から5日(日)まで せんがわ劇場で上演します。
今稽古をしています。
※写真は本文とは関係ありません。中学生の僕
夜中に目が覚めて(というか、寝落ちしていて起きた)、台本を丸めて手にもってサンダル履いて外へ出ました。
小さな川に架かる小さな橋のところには、一晩中明るいライトが点いてるところがあって、そこでぶつぶつと台詞の練習をしていて
たまに通りかかる自転車の人に気づかず、少し避けられたりしながら(すみません)
途中で猫が一匹寄ってきて、でも近くに呼んだら逃げられたりして
で、
アパートに帰ると、なんだか久しぶりに我が家に帰って来たみたいな気持ちになっていて
すごいな、旅行に行ってきたみたいだなとか思ったりして
自販機でジュースを2本飲んだので、総額270円 の、旅行
○○○○○○○○○○
稽古場でみんなと会うのがうれしくて、すこし照れくさい気持ちになる、そんな仲間です
みんな、僕は今回はじめましてだったのだけど
まだマスクを取った顔をほとんど見られていないのだけれど
○○○○○。
今はまだ、できあがっていないのですが、この作品をとても、観に来て欲しいと思っています。
コロナ禍もあったり、そうでなくても、普段忙しくてなかなか会って話せない人達と
もしくはまだ 話したことのない方と
いろんなこと、おしゃべりをするその代わり、お芝居を創っています だから本当は
風呂敷に入れて家まで届けてもいいんだけれど、僕らは(物理的には)、劇場からは出られないから
だから、待っています。
日本の、東京の、調布市の、せんがわ劇場に、
僕らはいます。
滋より。
https://horobite.com/play/kohaku/
第11回せんがわ劇場演劇コンクール「グランプリ」受賞公演
2022年6月1日(水)- 6月5日(日)
調布市せんがわ劇場
作・演出
細川 洋平
出演
加瀬澤 拓未(劇団献身)佐藤 滋(青年団/滋企画)葛堂 里奈(ブルドッキングヘッドロック)鈴政 ゲン 藤代 太一
些細な差異が、とめどなくなっていくさ。
こころはしろいままで世界に、あるのさ。
|風が吹いて、吹いたけど特に何も変わらないからわたしたちの
生活もつづく、おだやかなままで、いつもみたいにまた来る、
わたしたちの朝、|まきこまれないかぎりあそこに見えるものは
けっしてこちらとまざらない|ある夫婦の話をしようと思います。
それはしあわせなふうふの話だと思います。|あるしまの、
お話にもならない、できごとです。|
《日時》
2022年6月1日(水)- 6月5日(日)
1日(水)19:00
2日(木)19:00
3日(金)14:00、19:00
4日(土)13:00、18:00
5日(日)13:00
◎ 受付開始は開演の45分前、開場は開演の30分。
《会場》
調布市せんがわ劇場
東京都調布市仙川町1-21-5
03-3300-0611(9:00 - 22:00)
京王線「仙川駅」改札より徒歩約4分
《チケット料金》
[全席指定] 前売:3,500円 当日:4,000円
○U-22割引:2200円(前売・当日共に/22歳以下・証明書提示)
○アートプラス会員:3200円★
○ハンディキャップ割引 前売:3000円★ 当日:3500円
○ギフトチケット こちらからご購入、数量限定。U-22取扱有
★=チケットCHOFUのみ取扱
先日、1500m走を計測してきました。
これは、毎年やっている、「1500mを5分以内に走りきることを自分自身の誕生日プレゼントにする」、というやつです。
記録は5分3秒でした。今年は達成ならず。
これで通算の勝ち負けは五分五分になりました(30歳の誕生日から始めて、切れたり切れなかったり)。
当日の競技場のレーンには、数日前の雪が少し残っていました。
毎年、この企画に付き合ってストップウォッチを持ってくれている親友は、
僕がウォーミングアップをしている間、ずっと第一レーンの雪をコツコツ削って消してくれました。
走る前に、二人でいろいろと作戦を立てたのですが、
焦りの気持ちからか、はじめの一周目をとばしすぎてしまい、結局、ラスト300mにもう一段、ギアをあげることができませんでした。
前回(一年前)、4分59秒という奇跡みたいなタイムでクリアしてからも、コツコツと毎朝走り続けてはきたのですが、
コツコツ、という現状維持みたいな走り方では、基礎体力は少しずつ、普通に、落ちていくわけで
だからコツコツにプラスして、
ゼイハアと息のあがることをもっとやらなくちゃ、と素直に思ったりしたのです
二周目の時
僕にとって1500m走る上で一番きついのは二周目なのですが(なぜならまだまだ先が長いと思っちゃうから)
二周目の時
文字通り泣きながら(辛さと寒さで涙が出たのです)走っている最中、
心の奥の奥のほうで 僕は
「ずっとこうしていたい」と
多分、僕は
思っていたのでした
早く終わりたい
早く走りきってこんなしんどいこと終わらせたい、と心底、思いながら
もっともっともっと奥のほうでは
多分 多分ですけど
僕は
一年後、もまた、走ります。
「二年連続で切れなかったらこの企画は終了」と、親友と約束してますので、次回は、(何度目かの)山場です。
例えば僕は
一年後
1500mで5分を切る
為に、
生きる。
とっても冗談みたいだけど
けっこう本気だったりして
コツコツ
ゼイハア
不意に襲ってくる
たまらない気持ちを
もう いなすのはやめようと思います
もう どんどん青臭くなってやる
面倒くさい大人が、おじさんが、ゆきますよ~
ぶつからないようどうかご注意を
でも、道を空けたりしなくていいですよ
遠回りとか、寄り道とか、回り道とか、僕はたくさんしてきて慣れているので
たくさん迷惑かけるかもですが、笑われても決して不機嫌にはなりませんので
どうか 許していただいて
僕の今年の目標は、「たくさん笑う」です。
去年の二倍、笑う。
です。
お久しぶりです、お元気ですか
マスクをつけたままの人の顔、ばかり見ているので、頭のどこかが正直ちょっともうしんどくなっていて、
電車の向かいの席の、全然知らない人の顔さえ、見られなくてさみしい とか思ってしまいます。
こちらは、そんなことをぼんやり考えながら、でも、元気です。
10月、旅公演に行っていました。
枚方市の公演の時、集合時間よりだいぶ早く劇場に入ってしまったので、劇場のそばの大きな川沿いを、てくてくジョギングをしていた時のことです。
とても広々した芝生の広場に、野外劇ができそうな場所があって、そこを通過しようとしたら
「お元気ですねぇ~!」
と、声をかけられました。
ふりかえると、優しそうなおじいさんがニコニコ笑っていました。
「(そちらこそ)お元気そうで!」
と返したら、そこからなんだかいろいろ話し込んで、
気がついたら僕はおじいさんのそばに座って、おじいさんのハーモニカの演奏を聴かせてもらっていました。
おじいさんは、この場所まで○○から(聞いたけど忘れてしまいました、多分なかなかの距離)自転車で来ていること、おつれあいをなくしてさびしくて仕方ないこと、ハーモニカは孫に教わった歌をYouTubeで探して独学だということ、話してくれました。
僕も調子に乗ってどんどんリクエストして、結局5、6曲演奏をしてもらったりして
10月なのに夏みたいな気温の夕方、その空は、だけどやっぱり夏のそれとは少し違うくて、きれいな雲でした
おじいさんのハーモニカを聴きながら、自分は今、どうしてここにいるんだっけ、なんて とても不思議な気持ちになって
集合時間が近づいて来たので、「あそこの劇場でお芝居やってるんですよ」なんて言いながら、僕はおじいさんとお別れしました。
「わたしもぜひ、観に行けたらよかったなぁ」
優しい笑顔でおじいさんは言ってくれて、
「いつかぜひ、観てくださいね!」
と僕は言って
お互いの名前を名乗り合って
おじいさんは僕の名前を鉛筆で丁寧にメモしてくれて
「また会えますように」
と、言ってくれました。
僕はその日の夜公演、ハーモニカのおじいさん、ヨシザキさんのために、「いい芝居しよう」と思いました。客席には、いないけど、自転車で行けるくらいの近くにヨシザキさんはいて、ヨシザキさんのハーモニカレパートリーが書いてあるメモ用紙には、僕の名前も書いてもらっていて、
だから、今夜もいい芝居しよう、と思いました。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
29年前の今日は、高校時代の友達の18歳の誕生日です。
二日前が命日なので、友達は、ずっと17歳です。
僕は46歳になりました。
実家に帰るたび、デカビタC持ってお墓に行って、いろいろ話します。だいたいは、僕の相変わらずの生活の報告と、でもがんばるわ、ということと、
で、また、と言って
ヨシザキさんは、
「私、いくつに見えますか?」とキラキラした笑顔で僕に質問しました
僕はほんとにわからなかったので、「わかんないす!」と言いました
「もうすぐ80なんですよ!」と笑いながらヨシザキさんは言って、「年の割には元気でしょう?」と得意げでうれしそうで
「イヤイヤ~ほんとに!お元気!」とか僕は言いました
雲が、すごいきれいでした
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
「そういえば、しげるさんていくつなの?」とか訊かれるたび、僕がいつも言うしょうもない冗談は
「18歳です~」
なのですが、
だいたい、ハー、とかタメ息つかれたり、なんなのそれバカじゃないの、ハイハイ、みたいな感じになるのですが(以前共演した海外の俳優さんたちにはちょっとだけウケたんだけど、彼らも内心「ハー」って感じだったのでしょうか)
まぁ、しょうもない冗談なのですが
しっかり46歳なのですが、あと二ヶ月で47歳なのですが
僕の中の、なんか、一個だけ、18歳で止まっちゃってるものがあるんですね
いいとか悪いとかではなくて、カッコいいとかダサいとかどっちでもなくて、
なんか、ずっと食べずに置いてある、でもなんでかまだ腐ってないリンゴみたいなのが一個だけあって、
バタバタ、オタオタ、生きている最中に
たまに、それを横目で眺めて、あーまだあるなぁって安心したり呆れたり、してるんですよね